オペラ歌手 丹呉由利子blog

メゾソプラノ 丹呉由利子のブログ

Carmen

文京シビックホールにて、カルメンデビューをさせて頂きました。

 

年末年始からバタバタとしていて、カルメン1本に集中出来たのは2週間ほどでしたが今出せるものは出せたのかなと思います。

ご来場下さいました皆様、ありがとうございました。

 

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カルメンというと、歴代の名歌手達があらゆる解釈で名演奏をしている役で、メゾソプラノとして憧れはありましたが20代の頃はとても手を出そうと思えるキャラクターではありませんでした。

 

30代の半ばにさしかかり、カルメンを歌って欲しいと言って頂く機会が増えたタイミングでこちらの公演にご縁を頂き、大変幸運でした。

 

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演出の直井さんは、歌手に様々な事を委ねてくださる方なので自分なりに色々と考えました。

 

自分の声や容姿でどの様な事が出来るのか、何が表現出来るのか。

無理矢理に色気を出そうとしたくないという話を、指揮の平野桂子さんにもお伝えしてご了承頂き方向性を定めました。……ホセとはしっかり絡みましたけどね 笑

 

そして、少し前の日本だと悪女と表現されがちですが、自由なだけで悪女とは少し違うかなと感じたのでその辺も必要以上に悪ぶる事は無いよう努めました。

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時に、規律や常識を守る事が美徳とされた少し前の日本にあって、自分に正直に感性のまま人生を歩み、結果として人の人生も巻き込んでしまうカルメンはかなりの「悪女」だったんだろうなぁと思います。

 

オペラ歌手は様々な役を様々な解釈をもって歌い演じますが、どんなに自分以外を演じても素材となるのは自分自身。完璧な理想と掛け離れていても、自身の内側から出てくる物を否定するのはやめようと思えた公演でした。

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初役にしてタイトルロールデビューだったのに、初めて通ったのがGPで、場当たりは無し、病み上がり。

 

何とか無事に終幕で来たのは関わって下さった皆様のおかげです。

エストラ、演出の直井さん、共演者の皆様、音楽スタッフの皆様、完璧なお仕事をなさるプロ集団のスタッフの皆様、そしてフランス語指導に留まらずあらゆるアドバイスを下さった江澤さん!!

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本当にありがとうございました。またいつか、アップデートしてお観せ出来ますように。

 

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