オペラ歌手 丹呉由利子blog

メゾソプラノ 丹呉由利子のブログ

藤原歌劇団 「ラ・トラヴィアータ」

東京文化会館で3日に渡って上演されたトラヴィアータが無事に終演致しました。

ご来場下さった皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました。

 

予算が限られた中でも、今回のプロダクションは舞台装置も衣装も全てイタリアで新しく作られていてとても華やかで、オペラを観た!という気持ちを存分に味わって頂ける舞台だったと思います。

 

それが全てだとは思いませんが、やっぱりオペラの舞台は華やかな方がお客様にとっても私たち歌い手側にとっても夢があって良いなぁと実感しました。

 

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上の写真は、乾杯の歌の途中でヴィオレッタとコンタクトを取った時のショット。

高級娼婦として同じ様な境遇を背負うヴィオレッタと「Godiam」と歌い合うこの瞬間がとても好きでした。

 

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裸婦の絵画で埋め尽くされたフローラの夜会のシーン。

ヴィオレッタが高級娼婦としてトップにまで上り詰めたにも関わらず、アルフレードへの愛情に目覚めてしまう反面、高級娼婦として「道を踏み外していない女」がフローラなのだと改めて思いました。

 

藤原デビューが岩田さんの演出のフローラで、今回が2回目のフローラでしたが、大先輩の歌い手の方々も、こうして回数を重ねて少しずつ深みと重みを増して日々進んでいらっしゃるんですね。

 

そして、砂川涼子さんと光岡暁恵さんというプリマのお二人の役作りと音楽づくりを間近で拝見できた事も本当に有難い経験でした。

しかも、始めて歌わせて頂く東京文化会館で、6回も稽古させて頂き、折江先生や牧野先生をはじめとする大ベテランの先輩方のオペラへの取り組み方を間近で拝見させて頂き、2019年のスタートとなる1月にこんなに恵まれた環境で歌う事が出来てとても幸せです。

 

自分の未熟さを痛感すると共に、次のステップに進むべく精進したいと思います。

プライベートにちょっとした変化があり、今後私がどの様な道を歩むのか不安と期待が入り混じっておりますが、友人の

「迷ったら、怖い方に進んでみた方がよい」

という何とも私にピッタリな名言(?)を胸に、頂いた仕事に対して出来る限り丁寧に、誠実に、全力で取り組んでいきたいと思います。

ありがとうございました。

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