カヴァレリア・ルスティカーナ
令和最初の本番。
先日、とある場所でカヴァレリア・ルスティカーナのサントゥッツァを歌ってきました。
分かっていたつもりだったけど、ベルカントとはやっぱり全然違うヴェリズモのプリマ。
発声的にアウトギリギリを常に攻めていないといけない感じが、新鮮で新しかった。
さらに前に、さらに外に。
けど、ベルカントだって大切な根っこの部分は同じなんだもんなー。
少ない稽古の中で、私の勉強方法とか、音楽に向かう姿勢とかをもう一度一から向き合い治さなきゃいけないなぁと思う事が多々あって(遅い)、本番翌日から勉強の日々を過ごしておりまス。
得意な部分だけに頼っていて何とかなる程甘い世界ではないですね。
反省ー(遅い)
帝国ホテル ジ・インペリアルオペラ 魔笛
去年に引き続き、出演させて頂きました。
前回同様、演目の世界観に合わせた美しいテーブルコーディネートと、キラッキラのシャンデリアの中で楽しく歌わせて頂きました。
音楽の為に設計されたホールとは環境が違うので、普段とは少し違う歌い方をしないと客席まで言葉が届かなかったりもして、そういった工夫をするのも良い経験となりました♪
ダーメは、実力のあるソリストがあえてアンサンブルをする事で公演全体の旨味を増すスパイスになる様な役だと思っているのですが、ちゃんと出来たかなー。
タミーノの所谷さんやパパゲーノの押川さんと存分に絡めるのが個人的にはとても楽しかったです♪
そしてパパゲーナの高橋薫子さん!
もう、ほんっとうに可愛くて可愛くて…。
最後の二重唱が始まったとき、会場の空気が「ぽわぁん」と温まって、お客様が釘付けになっている空気感が袖まで伝わってきました。
流石でした。ああいう、お客様を一気に惹きつける空気感みたいなのは勉強だけでは絶対に身に付かないし、師匠が言っていた「プリマは最終的には人間力だ」って言うのは本当だなぁと痛感。
夜の女王のまいちゃんと。
魔笛→イコール夜の女王のアリア!
ってくらい重圧の大きい役をきちんとこなして、bravoもしっかり貰って袖に帰っていくまいちゃんはとっても素敵でした。
ダーメのbefore after。
ありがとうございました♡
藤原歌劇団 「ラ・トラヴィアータ」
東京文化会館で3日に渡って上演されたトラヴィアータが無事に終演致しました。
ご来場下さった皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました。
予算が限られた中でも、今回のプロダクションは舞台装置も衣装も全てイタリアで新しく作られていてとても華やかで、オペラを観た!という気持ちを存分に味わって頂ける舞台だったと思います。
それが全てだとは思いませんが、やっぱりオペラの舞台は華やかな方がお客様にとっても私たち歌い手側にとっても夢があって良いなぁと実感しました。
上の写真は、乾杯の歌の途中でヴィオレッタとコンタクトを取った時のショット。
高級娼婦として同じ様な境遇を背負うヴィオレッタと「Godiam」と歌い合うこの瞬間がとても好きでした。
裸婦の絵画で埋め尽くされたフローラの夜会のシーン。
ヴィオレッタが高級娼婦としてトップにまで上り詰めたにも関わらず、アルフレードへの愛情に目覚めてしまう反面、高級娼婦として「道を踏み外していない女」がフローラなのだと改めて思いました。
藤原デビューが岩田さんの演出のフローラで、今回が2回目のフローラでしたが、大先輩の歌い手の方々も、こうして回数を重ねて少しずつ深みと重みを増して日々進んでいらっしゃるんですね。
そして、砂川涼子さんと光岡暁恵さんというプリマのお二人の役作りと音楽づくりを間近で拝見できた事も本当に有難い経験でした。
しかも、始めて歌わせて頂く東京文化会館で、6回も稽古させて頂き、折江先生や牧野先生をはじめとする大ベテランの先輩方のオペラへの取り組み方を間近で拝見させて頂き、2019年のスタートとなる1月にこんなに恵まれた環境で歌う事が出来てとても幸せです。
自分の未熟さを痛感すると共に、次のステップに進むべく精進したいと思います。
プライベートにちょっとした変化があり、今後私がどの様な道を歩むのか不安と期待が入り混じっておりますが、友人の
「迷ったら、怖い方に進んでみた方がよい」
という何とも私にピッタリな名言(?)を胸に、頂いた仕事に対して出来る限り丁寧に、誠実に、全力で取り組んでいきたいと思います。
ありがとうございました。
連日、上野。
1月末の藤原歌劇団「ラ・トラヴィアータ」の稽古の為、毎日東京文化会館に通っています。
↑歴史と伝統を感じる、大好きな文化会館の舞台袖。
(今回のプロダクションの小物等は一切写っておりません。)
今回は3日公演のトリプルキャストという事で、稽古の組み方も2日公演の時とはかなり違います。
私は初日と楽日に出演しているので、その分多く稽古を重ねる事が出来ています。
最近は(いうか私がデビューした時はすでにそうでしたが)、小屋入りしてからの稽古日数が本当に必要最低限の回数に抑えられる風潮がある中で、文化会館でこんなにも連日稽古をさせて頂けるのは有難い事です。
通常だと大体一日置きになる稽古が連日になるので、勿論コンディションを保つのに気を使うこともありますが、それでもやはり私の様な経験の浅い歌い手にとっては本当に恵まれているとしか言い様がありません。
変に真面目で不器用なところがあって、立ち振る舞いを効果的に綺麗に見せる事は少し(?)苦手なのですが、昨日までの数日間でみっちり探らせて頂きました。
今日からはお客様をお招きしてのゲネプロがスタートします。
今回のプロダクションは、キャストの大先輩方が歌い手としても人としても本当に本当に素敵な方ばかりで毎日色々な事を気付かせて頂いております。
本番さながらの最終リハーサルで、後どの位もがく事が出来るのか分かりませんが、環境に感謝して一日を大切に噛み締めながら舞台を踏もうと思います。
歌い納めin 沖縄
今年の歌い納めは沖縄でのMessiah公演でした。
Messiahのアルトパートはどちらかと言えばカウンターテナー向けなのか、メゾソプラノの私にはかなり低め。
中低音ばかりだし、passaggioの付近を何度も行き来するし…私の声の良い所を思う存分発揮出来るかと言われれば、出来ません。
けれどそれ以上にMessiahは学生時代から大好きで、しかも今回はベーレンライター版のMessiahだったのでバリトンが担当する事も多い6番のアリアも私が歌わせて頂けてかなり幸せでした。
バリトンのアリアがいい曲が多すぎて、いつか絶対歌ってやろうと思っていた野望が一つ叶いました…。
全曲を舞台上で過ごす宗教曲のお仕事は、座っている間も常にお客様に見られている緊張感もありますが、舞台上から客席を眺めながら、オーケストラの音に包まれている時間は私としては至福のひとときです。
悠々と流れるヘンデルの音楽を聴いていると心洗われる心地がして幸せでした。
素敵な歌い納めにする事が出来ました。
来年もMessiah歌えますように!ハレルヤ♩
第九in名古屋
12月の頭は、名古屋で第九を歌わせて頂きました。
指揮の山下マエストロは、数年前に藤原歌劇団の「I Capuleti e i Montecchi」でロメーオのアンダーをしていた時にお知り合いになりました。
今回第九のソリストとして呼んで頂きとても嬉しかったです。
そして、会場となった愛知芸術文化センターもとっても素晴らしいホールでした。
第九はアルトのソロパートが少ないので、今度はもっと沢山このホールで歌いたいなぁ、なんて事を合唱さんの熱唱を聴きながら考えていました。
客席はなんと満席。名古屋のエネルギーを感じました。鎌倉も頑張りたい…。